芝居で出合った 演出家、俳優の 現場のイイ話。私の本箱、イメージを言葉にする とっておきの方法 。 エッセイ、イラスト、本のコレクションの紹介、その他 私のお気に入り あれこれ 

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本に囲まれて

東京パック



家を整理していたら、日本て初めてのカラー漫画雑誌
「東京パック」(「大阪パック」も合わせると80冊近く)が大量に出てきました。

今回は珍しくYouTubeに動画でもアップしました。




明治38年に創刊し、大正の初めまで(厳密には、昭和16年まで)続いた月2回の月刊誌。
初めの頃は北沢楽天が主筆で、サイズはひとまわり大きめのB4。12ページ。
この北沢楽天という方、素晴らしい絵だと思ったら、なんと仏蘭西のレジオン•ドヌール勲章を受けています。
社会を風刺した庶民の娯楽として、日露戦争をバックにどんどん部数を伸ばし、一時は10万部も売れていました。
値段も10銭と、当時でも安く、なによりカラーというのがとても新鮮に映ったそうです。
スタッフには、川端龍子や坂本繁二郎など、日本画家の錚々たる名が連なっています。
新聞や雑誌では見られない、あの時代の空気が伝わってきて、とにかく面白い。



ではYouTubeも覗いてみてくださいね。
こちらも購読してくださると、新しい本の動画が次々にアップされていきます。



本に囲まれて

高岡重蔵 活版習作集



本を10分の1に減らそうとの断捨離の最中、
またまた心惹かれる本に出逢ってしまいました。
子供の頃からタイポグラフィの美しい文字が好きでした。
海外で高い評価を得た、嘉瑞工房の高岡重蔵の活版印刷。



1970年代を中心に制作された作品150点以上が収められています。ページをめくるごとに、整然とした組み文字が飛び込んできます。ため息が出るほど美しい文字…圧巻。




「この本は僕の『作品集』じゃあない。
あくまで一介の欧文組版工による『習作集』。
むしろ僕は、それを誇りに思っている。」

「文字というものは読むためにある。記録するためにある。
だから、読みよくなければならない。
形だけで遊んじゃ駄目。」
                前口上より




パソコンやワープロの文字を見ていて、その文字の間隔、大小のバランスにいつも違和感を感じていました。
ここに出てくる文字は、欧文も和文も、匂いや温かさを感じます。
にんげんの 体温を感じるのです。
こういう文化をまだ守っているところが残っていること、
しかもそこには一流の技術と美的感覚が存在することに、
なんだかホッとしてしまいました。




本に囲まれて

心に残る音



舞台音響の草分け、辻亨二さんによる、
芝居の効果音をテーマにしたエッセイ集です。

以前、朗読の公演を企画した時に
どなたかゲストを招いて「音」をテーマにトークショーをやってみようと思いつきました。
そのときにゲストで出演してくださったのがこの辻さんです。
その話芸に聞き惚れました。
打ち合わせで事務所にお邪魔したのはいいけれど、
面白くて面白くて、このまま一日中打ち合わせをしていたいと思ってしまいます。いっぺんにファンになりました。
朗読の合間のおしゃべりだけではもったいない、
トークショーだけでひとつの公演にすれば良かったと後悔した程です。

そんな辻さんの口調がそのままエッセイになっているのがこの本です。
話芸の達者な方は、文章も生き生きしています。
ナマの舞台でアナログの音作り
その悪戦苦闘ぶりが、読んでいると面白いこと!
昭和30年代の舞台の様子が、まるで現場にいるよう。
大矢市次郎、先代の水谷八重子、伊志井寛、川口松太郎、宇野信夫、北條秀司、その他歌舞伎の名優達とのやり取りが、伝わってきます。
舞台でナマの音を作る苦労。
霧の音を作れと言われて苦労した話。

花柳章太郎が「大つごもり」の おみね を演じた時の話。
車井戸から何度も水をくみ上げるシーンがあります。
過酷な労働と薄幸な娘を印象づけるシーン。
身体の大きい男が小娘を演じるためには、
井戸を深くしないと、その感じが出ない。
「キュルキュル」と井戸の車がきしみ
「ドボン」と水面に当たる音。
その間をあけることで、井戸の深さを想像させます。
老優が17才の娘を演じる為に
花柳さんは身体と格闘しながら、この過酷なシーンをこなし、
日に日に、汲み上げ回数を減らさざるをえなくなり、
ついに代役に変わって そのまま亡くなられました。
「キュルキュル」と「ドボン」の間を詰めれば楽だったけれど、
最後までそれに こだわり続けた名優のお話です。

声による犬の喧嘩が、天才的だった加納さんの話。
迫真の喧嘩の凄さをレコードに録音したところ、
加納さんと大げんかをした勢いで、
その場で盤を割ってしまいました。
しかしその後加納さんは、もう闘犬の声が出せなくなり、
録音は幻になってしまった…
土佐犬がスピッツになってしまったという話。
その猛烈な犬の喧嘩の迫力が伝わってきます。


 音響の本は、岩渕東洋男さん、園田芳龍さんなどの名著はありますが、辻さんのこの本は、まさに名随筆。
折に触れて、私も朗読でとりあげて、ご紹介させていただいています。

本に囲まれて

そっくりなキャラクター



子供の頃に、渋谷の恋文横町にあった洋書屋さんで買ってもらった
アメリカの漫画の本。
(アダムスファミリーに続いての、第2弾!)
かたや、昭和30年代、テレビの人気ドラマ「一丁目一番地」の漫画。
このキャラクターが、なんと瓜二つなのを発見しました。
主人公の少年、お父さん、お母さん、服装、ヘアスタイルなど、
どうぞごゆっくりごらんください。
それにしても、ここまで真似して、大丈夫だったのかしら?







お父さんも、どうみてもそっくりでしょ。



主人公の着てる、オーバーオールのポケットの位置まで同じ!






着物と蝶ネクタイと、服は違うけど…



この不思議なお母さんのヘアスタイル。金髪と黒髪の違いはあるけど。
バックスタイルまでそっくりですね。

本に囲まれて

小檜山賢二 写真集「象虫」



またまた、へんな写真集を!という皆様の声が聞こえてきそうです。
そう、前回は「粘菌」でしたものね。
ほとんど気づかない程ちいさな象虫を拡大すると
「生きた工芸品」と言われるのがわかります。

ページを写真に撮って載せているので、
この美しさが伝わらないのは残念ですが
隅から隅までピントがあっているという、特殊な撮影をしているそうです。



象虫ってなんとも奇妙な虫です。
昆虫の中でこんなにユーモラスでユニークで
変化に富んだ虫がいるでしょうか。
写真集を見ていると、
「これ、全部が象虫?!」って思う程
顔も身体も、手足も触覚も、その種類の豊富なこと。



ゾウみたいな長~い鼻(いやいや口らしい)のあるのから
キリンみたいに首の長いのから
宇宙人みたいな顔したのから
触覚の長いの、手足の細長いの、
ハリネズミみたいなのから、毛むくじゃらの、ツヤツヤ光ってるの
色だって、真っ白もいれば、緑と青の美しいグラデーションの、オレンジと黒のスタイリッシュなの、大胆な水玉模様のと、あげだしたら止まりません。



この本も、他のページも丸ごと ご紹介したいくらいです。
どれもこれも漫画のキャラクターにピッタリ…
いや、そう言う方々は
もうすでにここからヒントを得ているでしょう。



一番有名なのは、葉っぱを切ってクルクル巻いてその中に卵を産む、オトシブミでしょう。
それにしても、象虫なんて見たことない…と思っていたら、
それもそのはず、数ミリぐらいの小さな虫なのですもの。

これに夢中になって写真集を出した小檜山賢二さんという方も
象虫に負けず劣らす変わった方とお見受けします。
プロフィールを見ると、デジタル無線通信のスペシャリティーなのですね。元NTT無線システム研究所所長、慶応大学名誉教授などの肩書きも。

大の大人を夢中にさせる象虫の世界。
私も思わず、象虫ピアス(原寸大、数㍉)をみつけて、密かに楽しんでおります。
変な写真集は、まだありますぞ~。

本に囲まれて

内田百閒の絵本「王様の背中」







まず、この本をめくって圧倒されるのが、版画の迫力。
内田百閒による9編の短編童話集です。

最初にページをあけると、序(はじめ)に、
「この本のお話には、教訓はなんにも含まれておりませんから、
皆さんは安心して読んで下さい。」
と、あります。「安心してください」というのがいいですね。
百閒らしさはここからはじまります。わかる、わかる。





総ルビも嬉しい。
赤い文字が版画を引き立てております。




「王様の背中」
痒くて痒くて、ひたすら身体を掻きまくる王様のはなし。
手では届かずに、棒を使ってもだめ、壁を使っても駄目、ジリジリしながら、最後までひたすら大騒ぎして掻いている…それだけのお話。…というところが、なんとも百間らしい。
「王様は膝をついて、背中をうねくね動かしました。」
「うねくね」 って言い方、いいなぁ。




この猫の迫力ある構図!
ちいさな武士はネズミ達です。




「桃太郎」
桃太郎が生まれた後の桃の実は、どうなったかという話。




「狸の勘違ひ」
動物園の檻に入れられた狸が、見物の人間たちを観察し、この人達は自分に化かされて、自らやって来ているのだと思い込んで楽しんでいる話。

とにかく、どの話も、オチちも何もない、さあ、次はどうなるだろうと思って読んでいくが、最後まで何にもない。それなのに、その話そのものが百閒らしくて、ぐいぐい引きずり込まれます。まさに百閒と、安規ワールド炸裂です。

この装丁・挿絵の谷中安規という版画家は
いったい何者なのでしょう。

版画家谷中安規(1897-1946)
独学で版画を学んでいます。
谷中が『王様の背中』の装丁、挿絵を手がけたのは、
詩人佐藤春夫が紹介したからだそうです。
日夏耿之介にも愛されていました。

百閒は
「初めは谷中氏に挿絵を描いて貰ふと云ふつもりであったのが、
出来上がって見ると、谷中安規版画集の趣きがある」
と称賛しています。

安規のことは、TV「美の巨人たち」もとりあげたのですね

貧窮の独身生活を送り、終戦の翌年に50才で栄養失調でなくなった。
内田百閒が彼を敬愛し、「風船画伯」(紐の切れた風船のように突然フラッとどこへ行くかわからない)と名づけ、装丁と挿絵を彼に依頼してつくった絵本が『王様の背中』
安規も百閒に負けず劣らず、奇人です。
「ぼくに就職をすすめることは、間接殺人です」

特装本と普及本が出版され、特装本には手摺版画も入っています。
私のは昭和9年の初版でしたが(1圓20銭)
限定200部という文字はないから普及本かな?
限定版だったら古本サイトで65万円の値がついている ひゃ〜
まあ、65万円なくても…旺文社文庫にもなっていました。
復刻版もあります。

ただ今、町田市立国際版画美術館で安規展が開催されているので
早速みてきました。
ここでご紹介した挿絵は、ほとんど展示されていませんでしたが
ときどき、ドキッとするような作品があって
一風変わった版画展は、なかなか面白かったです。
初期はゴシック•ロマン、エロティックでグロテスクなものからスタート。
戦前のモダン都市東京の光と闇の世界、
どこか土俗的な匂いのする世界と、
この時代の匂いを濃厚に漂わせています。
百閒とはよほど気があったのか
百閒の本の装丁は、どれも伸び伸びと個性的でした。

本に囲まれて

父の夏休みの宿題帖(昭和2年,3年)

尋常小学校2年生、3年生の時の
父の宿題帖が残っていました。




表紙の絵では、
こどもたちは洋服を着ています。
でも、父の通っていた古河市の学校では
生徒は全員着物でした。
父親が東京で買ってきてくれた洋服を着て
学校に行った父は
いじめっ子達から
「これは、セルか?サージか?」と
洋服をつまむふりをして 皮膚をつねられ
泣いて家に帰って
「もう洋服は着ない」
と駄々をこねたそうです。

それにしても夏休みの宿題に
「涼しいうちに」とか「あさのうちに」とか
タイトルが洒落てますよね。




これが小学3年生の問題?!
熊襲征伐
日本武尊
う~ん、いかにも当時の教科書らしいですね。
蠶というのも小学3年生の書き取りに。
小学校低学年で、こんな難しい漢字を読めたんですね。
この頃からすると 今の小学生の
国語力は、だいぶ下がっているのかしら。
現代は漢字が減って、代わりに横文字が入ってきています。




作文の中に「海月」という旅館がでてきます。
大学生の頃まで、毎年夏はここで過ごしていたそうです。
鎌倉、逗子、葉山…昭和初期の頃はどんなだったでしょう?
ネットで探したけれど、この宿はもうありませんでした。
…と書いたら、ネットで見つけてくださった方があります。
「東京雑写」と言うブログで
「鎌倉坂ノ下 萩原朔太郎 海月楼跡 」
と言う記事があったそうです。









プロフィール

はんがん

Author:はんがん
河崎早春(かわさき さはる)
俳優、朗読家。NPO日本朗読文化協会講師。

舞台の案内、これまでの舞台、仕事歴は
公式HP 「ことばの国」

朗読、語りの様子はYouTube
「ちりぢごく」「瘤取り」ほか


プライベートな 趣味の世界は Facebook

なお、武者小路実篤記念館のHPで
詩の朗読の映像も見られます。
→ 「詩の世界」

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