芝居で出合った 演出家、俳優の 現場のイイ話。私の本箱、イメージを言葉にする とっておきの方法 。 エッセイ、イラスト、本のコレクションの紹介、その他 私のお気に入り あれこれ 

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本に囲まれて

斎藤真一「吉原細見記」

十代の頃に画家、斎藤真一の瞽女の絵を見てからその世界に惹かれて、画集や本を集めたことがあります。そんな中にあったのがこの「明治吉原細見記」。

斎藤真一の母は、7歳の時に久野おばさんの養女になりました。
「なにしろ太夫にまでなった人だからね」
と母が自慢げに話していました。そんな母から聞いた話をもとに、明治20年代の吉原について、細かく調べ上げ、画文集となったのがこの本です。

ちょうど、樋口一葉の「たけくらべ」が書かれた頃の吉原遊郭の世界。一葉は見ることがなかったけれど、まさにその時代の廓の中の出来事が、膨大な資料とともに描かれています。

なにしろ坪内逍遥はじめ、政財界の人の奥さんになった太夫もあり、当時の吉原の太夫のごく一部には、幸せに身請けされた人もいたことがわかります。またそのことを、あえて隠さないどころか、むしろ花魁を妻にしたことを、今でいう人気女優と結婚したように自慢する風潮もあっったのです。
 
日本文学を読むためには、色街のことを調べる必要が出てくるのですが、その時に、最初に読むべき本が、これといってもいいほど、よくまとまった読み物になっています。
この祖母の話は、絵草紙「吉原炎上」で、物語となって描かれています。

それにしても、斎藤真一は藤田嗣治とパリで親交があったそうですが、嗣治の「白」に対して、斎藤真一の「赤」もとても印象的です。なまめかしさの中に、女の業、情念、寂しさ、運命を象徴するかのように、細々と、時に激しく燃え上り、それは吉原大火の業火なって町を包んでいきます。

遊郭に関連する細々とした説明も書かれていますが、これが、まるでエッセイのように斎藤真一の主観が入っていて、なかなか面白いのです。
例えば 「傾城屋」
「吉原のような廓を『傾城屋』つまり、城を傾けさせてしまうところ、と呼ばれていたことをべつに今まで不思議にも思わないでいた。(中略)
それは、吉原というところは、単に女性の肉体を商いしていたところではなく、男女関係のもっとも劇的な『恋』そのものを商いしていたと思い至るからだ。
極端にいえば『人格』そのものを売っていたということになろうか。(中略)
本当の恋に落ちず、、すれすれの境界を遊ぶということは、どんなに残酷な仕事だろうか。
そういう『虚』と『実』のあい間を遊んだ場所だったからこそ、江戸文化人がむらがったのだと思う。」
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プロフィール

はんがん

Author:はんがん
河崎早春(かわさき さはる)
俳優、朗読家。NPO日本朗読文化協会講師。

舞台の案内、これまでの舞台、仕事歴は
公式HP 「ことばの国」

朗読、語りの様子はYouTube
「ちりぢごく」「瘤取り」ほか


プライベートな 趣味の世界は Facebook

なお、武者小路実篤記念館のHPで
詩の朗読の映像も見られます。
→ 「詩の世界」

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