FC2ブログ

芝居で出合った 演出家、俳優の 現場のイイ話。私の本箱、イメージを言葉にする とっておきの方法 。 エッセイ、イラスト、本のコレクションの紹介、その他 私のお気に入り あれこれ 

見た聞いた!

小津安二郎と樋口一葉(中)

樋口一葉たけくらべ

昔から大好きな作品でした。
ここに描かれているのは
遊郭 吉原界隈という特殊な地域に暮らす
ちょうど子供から大人になっていく
微妙な年代の子供たちです。
そのひとりひとりが
大人の社会を背負っていて
「ああ、この子に こんな面があるんだ…」
と、読み進むうちに気付かされます。
どの子供も、その子を主人公に物語ができる…
それほど、魅力的に生き生きと描かれているのです。

さて、ここで取り上げたいのは
三五郎という戯け者の少年です。

たけくらべ」の子供たちは
鳶の親方の息子、長吉がリーダーの「横町組」と
家が金貸しの。正太郎ひきいる「表町組」と
二つの組に分かれて反目しています。
三五郎は貧しい俥引きの息子。
「横町組」に住まいはあり、
横町組の長吉の親が長屋の大家。
そのうえ表町組の正太郎の家からは借金がある。
そんな複雑な家庭の事情があり
横町、表町、どちらにも いい顔をするしかありません。
そのどっちつかずの態度を 
皆に責められ、馬鹿にされます。
三五郎の下には五人の兄弟があり
兄貴として兄弟の暮らしを支えてもいます。
赤ん坊を負ぶいながら 
声のかかるところならどこでも
便利屋のように、ほいほいと働き
三枚目のお調子者として、皆から好かれ、重宝がられている。
戯けて生きる逞しさを彼は持っています。

たけくらべ」の子供たちの中では
美登利、信如、正太郎に比べて脇役ではありますが
三五郎の描写になると、一葉さんの筆が生き生きとしてきます。
きっと一葉のまわりにも
「頑張れよ」と声をかけたくなるような
こんな子供がいたにちがいありません。
三五郎
関連記事
コメント:
トラックバック:
トラックバック URL
コメント:フォーム













管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

はんがん

Author:はんがん
河崎早春(かわさき さはる)
俳優、朗読家。

舞台の案内、これまでの舞台、仕事歴は
公式HP 「ことばの国」

朗読、語りの様子はYouTube
「ちりぢごく」「瘤取り」ほか

YouTube Facebookにて「本に囲まれて」
本に関する情報を発信中。

プライベートな 趣味の世界は Facebook

なお、武者小路実篤記念館のHPで
詩の朗読の映像も見られます。
→ 「詩の世界」

最新コメント
最新トラックバック
ようこそ
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
Powered by FC2 Blog | | Template Design by スタンダード・デザインラボ