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芝居で出合った 演出家、俳優の 現場のイイ話。私の本箱、イメージを言葉にする とっておきの方法 。 エッセイ、イラスト、本のコレクションの紹介、その他 私のお気に入り あれこれ 

DENさん語録

三木のり平の遊び

  DENさん語録 (22)

「昔、明治座に芝居を見に行ったとき
三木のり平が浴衣を着るシーンがあったんだ。
それが 芸なンだよ。
浴衣着るのが 芸になってるんだ。
すげぇぜ」

 稽古場で またDENさんの話がはじまりました。

「浴衣をポーンって高く投げ上げるだろ。
下でのり平さんが手を開いて待ってる。
浴衣がちゃんとその形で
ヒラヒラって落ちてきて
その開いてる手に スッと袖が通って
ササッと 帯を巻く。
それが一瞬なんだ。

客は唖然として大喝采。
もう、拍手と笑いが止まらなくて
それから 30分は 芝居にならない。

あとで のり平さんに話を聞いたら
浴衣 何十枚も積み上げてさ
一枚一枚 糊のつけかたを変えてさ、
それで放り上げて稽古したっていうんだ。

たとえば、浴衣が裾から落ちてくるように
裾につける糊の量を多めにしたり
ひらりと柔らかく袖が広がるように
袖は ちょっと少なめにしたり…
そういう風に 試してみたんだろうな。

来る日も 来る日も
洗濯屋から 山ほど浴衣が届く。
そりゃー洗濯代だって 半端じゃなかったって
のり平さんの奥さんが ぼやいてたよ。

でもさあ、
「浴衣着る」って、ただそれだけの事に
執念燃やして、とことん遊んで
それで それを 芸にしちゃう。
すごいよな。
それが、役者しかできない、芸人しかできない
最高に贅沢な 遊びなんだ。」


チャップリンの蚤のサーカスや、
山小屋で靴を食べるシーンなんかも思い出しながら
DENさんの話を きいておりました。

(後日談…これも読んでね)



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プロフィール

はんがん

Author:はんがん
河崎早春(かわさき さはる)
俳優、朗読家。

舞台の案内、これまでの舞台、仕事歴は
公式HP 「ことばの国」

朗読、語りの様子はYouTube
「ちりぢごく」「瘤取り」ほか

YouTube Facebookにて「本に囲まれて」
本に関する情報を発信中。

プライベートな 趣味の世界は Facebook

なお、武者小路実篤記念館のHPで
詩の朗読の映像も見られます。
→ 「詩の世界」

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