芝居で出合った 演出家、俳優の 現場のイイ話。私の本箱、イメージを言葉にする とっておきの方法 。 エッセイ、イラスト、本のコレクションの紹介、その他 私のお気に入り あれこれ 

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見た聞いた!

寅さんと小道具

小道具が上手に生きているなあって
感心する映画があります。
代表的なのが、チャップリン。
ステッキから始まって、
ナイフとフォーク、地球儀…
その扱いの見事なこと。

最近、テレビで「男はつらいよ 純情編」を見返したのですが
その中に、ありました
小道具の光っているシーンが!
若尾文子演じるマドンナ、夕子さんを
ご主人が迎えに来るシーンです。

「こういうときに限って帰って来るんだ、あのバカ」
と オイちゃんが言った途端
夕子さんを喜ばせようと寺から借りた
臼と杵を源ちゃんと賑やかに運んで来た、寅さん

(ああ、もう駄目だ…)と目をつぶる おばちゃん。
お世話になったと挨拶する夕子さんに
幸せにと 口ではいいつつ ショックを受ける寅さん

そんな寅さんが なぜか
杵の 下になる方を上にして背中に背負っているのですが
その杵の先に 後頭部をぶつけ
杵の先はグルリと回転。

顔もセリフも、夕子さんの幸せを祈っている
寅さんの心の内が
この、杵で表されています。

「よかった、ははは…」と力なく笑い
と口笛を吹きながら二階へ引っ込む寅さん
階段の登り口にある のれんの中に…。

そこへ間の悪いことに やってきたタコ社長
寅さんの居るのも知らず
「寅のヤツまたふられちゃったか」
それを聞いた寅さんはピタリと足を止めます。
のれんから杵の先っちょがだけが顔を出している。
これで寅さんが聞いてるのがわかります。
さあ、ひと騒動おきるかな?
ちょこっと後ずさりして、もしや…と思わせた後
寅さんは二階へ上っていき
一同、ほっと胸を撫で下ろす。
その途端、
ガランガランガランと杵が二階から落っこちてくる。
シーン転換。

このあたり、
寅さんの心を、すべて表現しているのが杵なのです。
いつもだったらひと騒動起こすところを
とてもサラッと、何事もなく描いているけれど
杵が それを補足するべく 濃厚に物語っている。
こいう小道具の使い方って
凄いなあと思います。

このあと、夜の柴又の駅で
サクラと寅さんの別れの名シーンへと繋がります。

それにしても、
小道具使いって、おもしろいなあ…
顔で笑いながら、ハンカチをもてあそぶ手で怒りを表したりすると
クサい演技にならなくてすむ。
小道具ってとっても役に立ちます。
もっともっと 小道具で遊ぶぞっ!

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プロフィール

はんがん

Author:はんがん
河崎早春(かわさき さはる)
俳優、朗読家。NPO日本朗読文化協会講師。

舞台の案内、これまでの舞台、仕事歴は
公式HP 「ことばの国」

朗読、語りの様子はYouTube
「ちりぢごく」「瘤取り」ほか


プライベートな 趣味の世界は Facebook

なお、武者小路実篤記念館のHPで
詩の朗読の映像も見られます。
→ 「詩の世界」

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