芝居で出合った 演出家、俳優の 現場のイイ話。私の本箱、イメージを言葉にする とっておきの方法 。 エッセイ、イラスト、本のコレクションの紹介、その他 私のお気に入り あれこれ 

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イラスト

魔女

昔、初めてのエッセイ集の時に描いたイラスト。
旅の話だったので
空飛ぶ地球!?
そういえば、何年も旅をしていないけど
どっか遠くに飛んでいきたいなあ〜
箒に乗った魔女
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見た聞いた!

小津安二郎「お早よう」はフランス映画の匂い(2)

  小津映画の「洒落っ気

感情の中で一番進化しているのは、笑いだとか。
泣く、怒る、恐れる という感情は
哺乳類ならあるけれど
おかしくて笑う動物って  
人間の他にいるのかしら?
犬や猫が 笑ってるような顔をすることはあるけど
カラスが、人間を馬鹿にして笑うみたいな声は出すけど
おかしくて笑っているのかどうか…

その笑いの中でも
くすっ と笑える映画って 素敵だなあと
先日テレビで
小津安二郎の「お早よう」を見ていて つくづく感じた。
大仰に笑わせるのではなく
人間って、面白いね
人間関係って、おかしいねって感じさせる。 
声を出して笑うんじゃなくて
心の中で ふっと笑う。

50年代のフランス映画
ジャック・タチの「ぼくの伯父さん」みたいな
小粋な笑い。

男の子が オナラ比べをやって
指で額を押すと
プゥってオナラがでるんだけど
そのあとに 手で空気をつかむみたいに
やったぜ って仕草をする。
これも、なんかいいんだよね。
パントマイムみたいな動作も 
この映画の楽しさのひとつ。

押し売りを追い払うお婆ちゃん役の
三好栄子の圧倒的な存在感。
いそうでいない、こういう婆ちゃん
かっこいいなあ…。

或る日、2人の兄弟が父親(笠智衆)に
「よけいな事を言いすぎる」って叱られて
「大人だってよけいな事を言ってる
お早う、いいお天気ですね。どちらへ…』とか」
って反論する。
それがきっかけで、男の子達は誰とも口をきかなくなる。

それを聞いて
「そういうよけいな事も、人生の潤滑油」
と言って笑った、佐田啓二、久我善子の若い男女が
駅のホームで 相手に想いを伝えられずに
「雲がきれいですね」
なんて たわいもない会話を交わす。

そんな、日常を切り取って
これといった事件はない。
なんてコトないけど
なんか 洒落てる。

小学校に入って間もなく
父にこの映画を 名画座でみせてもらった。
そのとき、
「ああ、こういう洒落っ気っていうのは
今の日本映画にはなくなったなあ
小津が最後かな…
昔はあったんだけどねぇ」

って父が呟いたのを覚えている。
(昭和30年代ですでになかったの?)
小さかった私は
その「洒落っ気」っていうのが何なのか
さっぱりわからなかったし
「お早よう」の中でも
いい音のオナラをするために
軽石の粉を男の子が飲むシーンとか
そんな事しか覚えていなかったけど
今になって、「そうか」!
あの時父が言った事を思い出した。

笑わしてやろうって
魂胆が見え透いたような
押し付けがましい笑いじゃなくって
くすっ という軽い笑い。
人間や人生を観察して
ああ、こういう人っているいる
人生って可笑しいねえ…
そんなふうな 洒落っ気

たまには古い映画を見て
私たちが失いつつある洒落っ気
もう一度 取り戻そうよ。

こういう「くすっ」と笑えるような
さりげないコメディを私も演じてみたい
と思う このごろです。

見た聞いた!

小津安二郎「お早よう」はフランス映画の匂い(1)

   小津映画の色彩

 久々にBS放送で「お早よう」(1959年)を見た。

昭和30年はじめの
東京郊外の文化住宅に暮らす家族の
日常をスケッチした作品。

見ているうちに思った。
(あれ…これって、50年代のフランス映画の匂いがする)
それは、色彩と 洒落っ気

そこで今回はその 「色彩について…」。

初めに目に留まったのが
どのカットにもワンポイントになっている
赤の アクセント。

食卓やカウンターに ちょこんとのっている
唐辛子の缶の赤。
干した洗濯物の中で 一対だけが赤の洗濯バサミ。
塗り椀、フラフープ…等等。

探していくうちに面白くなった。
よく見ないと気づかないけど
あ、あそこに!そこにも!…。

決して大写しにはならない。
あくまでも、小さなワンポイント。
全体に地味な色合いなだけに
鮮やかな 赤が なんとも印象的。

それから
衣装や、小物なども 神経が行き届いている。

まず男の子の服が小粋だ。
ジーンズにセーター
(この時代にジーンズはまだあまり一般的じゃなかったなあ。
私も3才の時に母に ジーンズのオーバーオールを買ってもらったっけ)
その男の子が 
出かける時はジャンパーに 
ひょいと チェックのマフラーを巻いている。
このチェックの赤も ワンポイント。

セーター、ジャケット、コート、バッグ
着物や羽織や、半纏にエプロン 
普段の さりげない服装が
なんでこんなにオシャレなんだろう。
そして、登場人物が並んだとき
服の色のバランスが 絶妙。

服だけじゃない。
湯呑み、小皿、薬缶などの
日常の なんでもない器の美しさ。
それも、決してアップになんかしない。
それとなく置いてあるだけ。

そうか…小津映画のカメラは低い位置だから
ちゃぶ台や カウンターが 目の高さにある。
そうすると、横一直線に並んだ食器や小物が
なんとも ピタリと いい位置に置かれている。
こんなところにも、神経を届かせてるんだ。

その低いカメラが 
スーッと引いていくと
家の中の 縦と横のラインが美しい。
戸の桟、家具などのラインが入り交じって
…ああ、これはモンドリアンの絵のよう。
ファブリックの縞やチェックも効いている。

文化住宅の 生活感のある
いろんな物が 和洋とりまぜて
ガチャガチャと入り混じる
それなのに、そこに美しさを感じさせている。

最近、こういう何でもない美しさって
なかなかお目にかかれない。
洗練された小津安二郎の美意識が
映画の中に これ見よがしでなく詰まっていた。





プロフィール

はんがん

Author:はんがん
河崎早春(かわさき さはる)
俳優、朗読家。NPO日本朗読文化協会講師。

舞台の案内、これまでの舞台、仕事歴は
公式HP 「ことばの国」

朗読、語りの様子はYouTube
「ちりぢごく」「瘤取り」ほか


プライベートな 趣味の世界は Facebook

なお、武者小路実篤記念館のHPで
詩の朗読の映像も見られます。
→ 「詩の世界」

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